ここでは、飲食店が導入すべき「HACCP」について紹介します。食中毒などの健康被害を引き起こさないよう、衛生管理を徹底しましょう。
HACCPとは「Hazard Analysis and Critical Control Point」の頭文字をとった言葉であり、危害要因分析(Hazard Analysis)と重要管理点(Critical Control Point)で構成されています。
飲食店などの食品を扱う現場において、健康被害につながる要因を排除することは大切。そこで、健康被害につながる恐れのある要因がないか調査・分析し、危険なポイントを継続的に管理・記録します。このような衛生管理の手法をHACCPと呼んでいます。
食品衛生法では、HACCP未導入への罰則は設けていません。
しかし、罰則は定められていないものの、食品衛生法に記載されている文言によって罰則へつながるケースも考えられます。
食品衛生法には「都道府県知事等は、公衆衛生上必要な措置について、第一項の規定により定められた基準に反しない限り、条例で必要な規定を定めることができる。」とあります。そのため、都道府県の定める条例によっては、HACCPを導入しないことで罰則を受けるケースがあるのです。
また、HACCPを導入していない場合は保健所の指導が入ることも。指導を受けた場合は速やかに対応することが大切です。
HACCP管理では、「一般衛生管理」と「重要管理ポイントの管理」を行います。
一般衛生管理とは、調理環境の衛生管理のことをさしており、HACCPの基礎といえる部分です。
飲食店などの食品を扱う現場では、異物や従業員のもち込んだ菌、傷んだ原材料、厨房内の汚れや器具破損など、さまざまな要因によって健康被害のリスクが高まります。そこで、一般衛生管理を行い、健康被害を引き起こすリスクを低減させることが大切です。そこで、一般衛生管理の一例をご紹介します。
食品を扱う従業員の服装に乱れはないか、発熱や嘔吐・下痢などの体調不良はないかを確認します。また、手指に傷がないかも確認します。
原材料を受け入れる際に、汚損や異臭がないかをチェックしましょう。また、納入時の温度や使用期限、保存方法が適切に管理されていることも重要です。
厨房内や廃棄物置場が清潔に保たれているようにします。床や壁、作業台や流し台などを清潔にすることはもちろん、排水の処理状況も確認しましょう。
また、廃棄物置場が不衛生だと、ネズミや害虫被害が発生しやすくなります。こまめな清掃を行うほか、窓や出入口の開放は避けましょう。
原材料等を適切に管理するために、冷蔵・冷凍庫の温度確認を行います。また、調理機器・器具の点検も行い、清掃・殺菌を徹底。器具の破損等がないかまでしっかりとチェックを行います。
調理前トイレ使用後に手洗いを徹底しているか、また、手洗い方法は適切かなどを確認します。
重要管理点とは、一般衛生管理の範囲外で徹底管理が必要なポイントのことです。たとえば、調理工程では、「十分に加熱する」「適切な温度管理をする」「食中毒を引き起こす菌を交差汚染させない」などの対策が必要です。
そこで、食品を「非加熱のまま食べる食品」「加熱後すぐに提供する食品」「加熱と冷却を繰り返す食品」の3つに分類し、分類ごとに適切な対応を行います。
サラダなどの非加熱のまま食べる食品は、提供までの冷却時間や温度を徹底管理します。また、生肉などの付着した菌が非加熱食品に付かないよう注意します。
加熱時間や温度は適切かどうかを徹底管理します。
加熱時間や温度の管理に加えて、冷却の時間や温度も徹底管理します。たとえば、加熱調理後に急冷しないと微生物が増殖してしまう食品もあるため、各メニューに合った適切な管理が求められます。
(運営会社:デジタルスフィア)
特徴
(運営会社:まいどソリューションズ)
特徴
(運営会社:ファンフォ)
特徴